・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.13(最終回)


 昨年夏、初めて開催された札幌国際芸術祭の特別プログラムとして、「フェスティバルFUKUSHIMA! 北3条広場で盆踊り」が8月10日に開かれ、4千人の来場者で盛り上がった。
 福島発のこの盆踊りは、あのNHK朝ドラ「あまちゃん」の音楽を手がけた大友良英が、ドラマで親しまれた曲などを盆踊り風にアレンジし、16人編成の「大友良英スペシャルビッグバンド」の生演奏と、「珍しいキノコ舞踊団」の振りを手本に踊るという、この上なく新鮮で贅沢なイベントだった。
 また、前日夜はNMA主催で、念願だった同ビッグバンドのライブを実現。「あまちゃん」のテーマや挿入曲、フリージャズ、ノイズ、即興などのテイストが混沌とした大友流音楽に、超満員の聴衆が熱狂した。
 数日後に盆踊りダイジェストの動画が、札幌国際芸術祭公式YOU TUBEに公開された。大友良英がインタビューで、「札幌では30年前からNMAと縁があり、第二の故郷ともいえるこの地で盆踊りができ、大勢の皆さんに楽しんでもらえたことが嬉しい!」と答える姿に胸が熱くなった。長年彼の進化を見続けてきた僕にとっても、まさかいっしょに盆踊りに関わるなんて思いもよらなかった。
 大友良英のみならず、これまでNMAライブやフェスティバルに出演し期待に応えてくれたミュージシャンや、活動を支えてくれた仲間たちは数え切れない。出会いが出会いを生む連鎖は、人生をこの上なく楽しく豊かにしてくれると改めて思う。
 「されど音楽」も最終回。拙文ながらも読んでいただいた皆さんに感謝しつつ、「さっぽろ八月祭2015」と、名称を新たに開催される盆踊りや、NMAライブでまたお会いしましょう!
(NMA音楽プロデューサー)