・昨夜は「ウーゴ・ファトルーソ×ヤヒロトモヒロ」@三石

NMA2007-11-29


昨日27日は三石・蓬莱音楽館(新ひだか町)のライブの調律に行ってきた。

ウーゴ・ファトルーソ・・・ピアノ、ヴォーカル、アコーディオン
ヒロトモヒロ・・・パーカッション

ウルグアイから来日した南米屈指のピアニスト、ウーゴ・ファトルーソ。ネットで調べると「ミルトン・ナシメント・グループの音楽監督もつとめ、ミルトンがグラミー賞を獲得したアルバム『ミルトン』にもピアノ、アコーディオン、アレンジで参加」とあるが、僕はこれまで知らなかったアーティスト。

主に南米のヒット曲や彼自身のオリジナル曲を演奏した。明快なメロデイながらもリズムや音使いには幾重にも独創的な工夫が凝らされていて、率直な感想は久しぶりに「良質のジャズ(音楽)」を感じさせてくれた。

打ち上げでその訳をたずねたところ(スペイン語?もちろんヤヒロさんの通訳)、彼は1943年生まれの64才で、1970年代から80年代初頭にかけての軍事政権下で自由な音楽活動を奪われたため亡命し、長い間アメリカなどで過ごしたことが大きな要因になっていることを知った。現在は民主国家に戻った祖国ウルグアイに帰って活動している。思い返すと、逆のパターンだがジャズの黄金時代といわれる1950-60年代頃のジャズミュージシャンたちは、南米やインド音楽にいたるまで世界中の音楽を取り込んで新境地を目指し数々の名曲と名盤を生み出したことと重なるような気がした。(と同時に、現在一般的に主流とされて流通している創造性のない『消費ジャズ』『コピージャズ』を憂うが・・・)

1ヶ月前の「高瀬アキ×瀬尾高志DUO」では、新しく搬入したばかりのピアノが不安定で調律に泣かされたが、今回は状態も安定してきて、ウーゴさんも「ピアノが良かったので最高に気持ちよくパフォーマンスができた!」とヤヒロさんの通訳で聞かされ安堵した。

それにしても数ヶ月に1回程度しかライブの機会に恵まれない地方の小さな町でほぼ20年間身銭を切って活動するHさんの生き方はすばらしいと思うし、お客さんも幸せだと思う。

[写真1]
太平洋の海岸線を走る国道を三石市街を抜けたところから山間に入り、3キロほどでH建設の敷地内に蓬莱音楽館がある。途中の蓬莱山公園の風景。夏には「蓬莱山祭り」が開かれ、佐藤通弘さんらを紹介したこともある。
[写真2]
開演前や休憩時間には飲み物や、暖をとる薪ストーブの上の「かぼちゃ汁」と「芋だんご汁」、常連客が差し入れた「鹿肉(牛肉のよう)と野菜の煮付け」など、この地域の味覚が楽しみながらのライブ。
[写真3]
「ウーゴ×ヤヒロDUO」のステージ

11月2日から始まったツアーも終盤で、今夜の札幌と東北3カ所のみ。
該当するエリアの方はぜひ!!

ヒロトモヒロ
http://www12.plala.or.jp/tomohiro-yahiro/index.html

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