2015-01-01から1年間の記事一覧

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.13(最終回)

昨年夏、初めて開催された札幌国際芸術祭の特別プログラムとして、「フェスティバルFUKUSHIMA! 北3条広場で盆踊り」が8月10日に開かれ、4千人の来場者で盛り上がった。 福島発のこの盆踊りは、あのNHK朝ドラ「あまちゃん」の音楽を手がけた大友良英が、…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.12 日本のジャズが急速に進化した1970年頃から、北海道でも各地でジャズコンサートが開かれるようになった。主催するのは熱心なジャズファンたちで、「ネムロ・ホット・ジャズクラブ」に代表されるように…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.11

僕の音楽観に多大な影響を与えてくれた評論家といえば、このコラム1回目でご紹介した故副島輝人さんだが、もう一人忘れてならないのが「ジャズ・アヴァンギャルド」など多くの著書を残された清水俊彦先生だ。先生は60年代から80年代にかけて、フリージャズ…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.10

NMAライブの活動を支えているのはお客さま、集客にはあらゆる手段を駆使している。最近ではメールやネットが主流だが、昔はライブ会場の受付で、半券などの住所氏名欄を強引にお願いして記入してもらい、次回の案内を郵送していた。 92年「大友良英GRO…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.9

ライブのチラシを配りに深夜のススキノを回っていたとき、ジャズバー・ジェリコで一人物憂げに呑んでいる青年が気になったのは85年の冬。彼こそが後に海外でも活躍する即興演奏家となったピアニスト宝示戸(ほうじと)亮二だった。「大学を卒業し就職したが…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.8

先鋭的な音楽フェスティバルでは、複数の異なる個性の新しいグループを同時に聴くことで、音楽への興味と視野を一気に広めることができる。 NMAでは80年代から90年代にかけて、計6回の「ナウミュージック・フェスティバル」を開催してきた。もちろん先に…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.7

道南福島町の福島大神宮境内土俵を舞台に、今年で20回目となる「かがり火コンサート」が開かれる。 ことの始まりは今から20年前、NMAライブの常連で札幌の染色家長谷川雅志さんから突然電話があり、「いま福島大神宮にいる。社殿で布の個展をやることにな…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.6

アイドル天野アキを演じる能年玲奈がお茶の間を沸かせた、NHKの朝ドラ「あまちゃん」が終わってもう一年半になるが、4月6日からBSで再放送が始まっている。当時「あまロス症候群」といわれた熱烈なファンにとっては嬉しい。 ドラマで音楽を担当したの…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.5

僕が主宰するNMAの活動は、その時代の世界の新しい音楽を札幌で紹介したいという衝動で、1983年からコンサートを企画開催し、道内各地でも開催している。 紹介しているのは、即興音楽、ニュージャズ、現代音楽、電子音楽、ノイズミュージックなど、あらゆ…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.4

昨年1月に親しい若者達と妻が幹事となり、僕の古希を祝って身に余るパーティーを開いてくれた。サプライズのビデオメッセージは、どれも涙が出るほど嬉しかった。その中にニューヨークのサックス奏者吉田ののことジョン・ゾーンのメッセージがあった。ジョ…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.3

2011年3月11日の東日本大震災で、福島は津波被害に加えて原発事故による放射能汚染という不条理な未曾有の事態に見舞われた。 その年の8月、大友良英や遠藤ミチロウら福島ゆかりの音楽家と詩人を代表に、「フクシマ」をポジティブな言葉に変えて世界に発信…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.2

国内外の先鋭的な音楽を紹介するNMA活動の原点となるメールス・ニュージャズ・フェスティバルを見に行ったのは83年5月だった。 メールス市はドイツ北西部のルール工業地帯に位置する人口10万人の小さな美しい町。その郊外に広がる広大な公園内には、キャ…

・道新カルチャーplus 沼山良明の「されど音楽」vol.1

久しぶりの更新です。 3月6日(金)から5月まで毎週金曜日夕刊に道新のコラムを執筆することになりました。 新聞を購読されていない方にも興味があれば読んでいただけるようブログに掲載することにしました。 字数は700字、幅広い道新読者のみなさんに考…