・7/31 - 8/3 東京滞在日記

NMA2009-08-05




● 7/31(金) 

久しぶりの東京。前日32度だった東京は曇り空で、滞在中は25度を超える程度の暑さ。湿度は高いもののこのくらいなら北海道人でも何とか凌げる。
予約していたホテルをキャンセルして○○っちの自称「ロテル・ド・キャロサンプ」に泊まることにした僕にとってはラッキー!!
○○っちと新宿ピットインで待ち合わせる。


今夜のピットインは札幌出身のキムキムこと木村昌哉くんがメンバーのSXQ(サキソフォンカルテット)。昨年秋のロシア、リトアニアツアーをコーディネイトした評論家の副島輝人さんにも会う。
SXQはNMAでも札幌ライブを検討中なのでぜひナマで観たかった。
一曲目の演奏が始まってこのバンドの個々の個性や力量の非凡さを知る。
間もなく5人が会場を移動し思い思いに見えるがたぶんそれぞれが音像の変化を生み出すため緻密に計算しながら動いていたのだろうと思う。
ゲストにガムランが共演することになっているが、残念ながら僕は30分足らずでピットインを後にしタクシーで渋谷に向かった。

   松本健一(Ss)立花秀輝(As)藤原大輔(Ts)
   吉田隆一(Bs)木村昌哉(Ss&Ts)
   ゲスト:トゥランブーラン・ミニ、櫻田素子、渡辺泰子、
       田中沙織(ガムラン



渋谷ユーロスペースでは大友良英ドキュメンタリー映画「KIKOE」のレイトショー。7/25〜8/14毎夜21時10分から1回上映。
今回の上京の目的のひとつはこの映画を観ること。パンフレットにもクレジットされているが、NMAが1990年の大友良英初ライブに始まる十数本のライブのビデオを提供し使用されているので、映画と2日のバトルトークに招待されている。短めにカットされたライブやインタビューなどの映像を岩井主税監督の独特な切り口でコラージュされた作品。

映画が終わって再びタクシーでピットインへ戻る。すでにライブは終わっていて、○○っちとキムキムと3人で近くの居酒屋で飲んでから新高円寺のロテル・ド・キャロサンプへ。夜は23度くらいなのでの二階のゲストルームも窓を開けると扇風機で耐えられる暑さなので爆睡・・・



● 8/1(土)

朝、目が覚めて外を眺めると、一面お墓とその先にお寺が見え妙に安らぐ眺めだ。爆睡できたのはこのお墓のご先祖様に見守られていたからなのか[m:75]
一階の居間に降りると庭には軒先まで伸びたゴウヤが黄色い花と小さな実をつけている。この庭で生まれたという子猫五匹と母猫の野良ニャン一家が棲み着いていて、ネコ好きな○○っちが煮干しを与えると警戒しながらも近づいてきて、むさぼるように食べる姿が可愛いい。
料理自慢の○○っちの朝食はゴージャス[m:76]毎朝素材も内容も変わるし素晴らしい朝食だった。


午後、二人で六本木へ。○○ッチは夜の「大友良英生誕半世紀記念ライブ」の準備に「スーパーデラックス」へ。僕はミッドタウンをぶらりと散策、安藤忠雄デザインの「21_21 DESIGN SIGHT」(2007年オープン、三宅一生らのインスタレーション畑中正人くんが音楽を担当した)も土曜日で人人人・・・、早々に諦めてミッドタウンのカフェでランチをすませる。

その後原宿VACANTでの「大友良英 ENSEMBLES’09 休符だらけの音楽装置」展へ。

カフェや色んな店が密集する若者だらけの路地を地図をたよりにVACANTにたどり着く。外観をしばらく眺めてから中に入ると偶然にも岩井くん(映画「 KIKOE」監督)と再会する。ENSEMBLES展は二階のフロア。約100台近くのポータブルレコードプレーヤーがそれぞれが存在を誇示しているかのように様々な表情で配置され、その特徴を生かしてプログラミングされて静かに黙々と音を発している。まさにアンサンブルそのもの! 
97年のせんだいメディアテークと違っていたのは、よりコンポーズされた楽曲という印象で、もちろんレコードは使わずノイズ音のみ。役割を終えてどこかに永眠していたポータブルレコードプレーヤーたちが、多くのボランティアスタッフの手によって息吹を取り戻している様は愛おしさと微笑ましさを感じる。


七時ころ六本木に戻りスーパーデラックスへ着くと、久しぶりに中村としまるさんや秋山徹次さん山本精一さんカール・ストーンさんらに会う。かねがね噂に聞いていた一楽さんのお嬢さんまどかちゃんにも初対面!!

大友良英生誕半世紀記念ライブ」@六本木 SuperDeluxe
 <幽閉者と誕生日のピアノソロ>
   1st set:大友良英 ピアノソロ
   2nd set:「幽閉者」(大友良英ジム・オルーク山本精一
         Sachiko M、秋山徹次、山本達彦、一楽まどか


1st set の大友良英ピアノソロ?って・・・写真のようにピアノにマイクをセットし鍵盤を押して弦を解放し、そのフィードバックをギターアンプで増幅させるという仕掛けで、ピアノ本来のポ〜ンという音は皆無[m:75]またしてもまんまと裏切られてしまった。この奏法は先月のヨーロッパツアーのザルツブルクで披露したときの面白いエピソードを後で聞いた。


2nd set お客さんは200人余でほぼ満員。演奏者は中央の客席を囲むように配置され、さらに客が演奏者を囲む。繊細な微音と間が緊張感のあるスペースを創出する。演奏後大友が「このような演奏なのでアンコールはありません」というと、ジムが「待った待った!」とマイクを取り「ハッピーバースディ・トゥーユー」と音頭をとり全員に伝染。打ち上げは近くの中華料理店で盛りあがった。



● 8/2(日)

午後2時に副島さんとキムキムと新宿のアルタビジョン前で待ち合わせをし、韓国料理を食べてから老舗の「面影屋珈琲店」に。この店は副島さんと何回か入ったことがあり長居できるところがいい。この日も話が尽きずコーヒーをお代わりして6時過ぎまでねばった。やがて元NMAスタッフ佐賀優子が到着したので二人を紹介したあと、副島さんキムキムと別れてから佐賀優子と原宿VACANTに行く。

再度 ENSEMBLES’09展を観たあと、8時からは映画「KIKOE」の激論バトルトーク。出演は監督の岩井主税、大友良英大谷能生の3氏。トークはリラックスムードで進んだのは良かったけれど、その反面、核心に触れる部分が少ないまま延々と続き終わったのは何と11時近かった。
ENSEMBLES展のボランティアスタッフの神戸の女性が作ってきたというポータブルレコードプレーヤーを形取った見事なバースデーケーキをご馳走になり帰路に。


時間も遅くなったのでまずは高円寺まで帰り、野田っちと優子と3人で沖縄料理の居酒屋で空腹を満たし焼酎を呑んだ。盛りだくさんのスケジュールで充実した三日間が終わり、寝たのは3時をまわっていた。



● 8/3(月)

12時ころ羽田空港に着くと東京に来て初めて見る真っ青な空!機内のTVニュースで東京の梅雨明け宣言を知った。

新宿PITINN では今夜から大友良英4DAYS。
http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/

ちょっぴり後ろ髪引かれる思いで札幌へ・・・