・KIKI BAND ツアー同行記


5月16日山梨からスタートした「梅津和時 KIKI BAND/Alchemic tour 2009」は今日7日の横浜で最終日ですね。
北海道ツアーが終わった28日に KIKI のメンバーと別れ札幌に戻ったところ本業の仕事と17日の「AGRA DHARMA」ライブの準備に追われ、辛うじてフォトアルバムだけをアップして先週はオホーツク紋別方面に出張でした。
日本列島の東半分を超ハードスケジュールで怒濤のごとく駆け抜けたツアー北海道編の同行記を遅ればせながら書いてみました。

<ミクシイのフォトアルバムは ↓ >
http://mixi.jp/view_album.pl?id=32917140&owner_id=3319652

<ライブの様子>についてはマイミクの皆さんの熱〜い日記にリンクを貼らせてもらいました。(無断の方スミマセン)KIKI BAND で検索すると東京を待ちきれずに富山まで見に行った人などの日記も見れますよ。


【5月20日=乙部町公民館】

移動は梅津さんがこのツアーのために買い替えたエルグランド号。5月19日福島から青森へ夕方青函フェリーに乗り函館へ上陸、乙部町へは夜遅く着いたそうです。会場は公民館のステージだけを使って演奏者と客席が一体となる熱気に溢れたそうです。主催者は梅津さんの支援者である浅野住職さんなので電話で打ち合わせをした他はいっさいお任せして僕は翌21日の苫小牧から同行した。


【5月21日=苫小牧・アミダさま】

仕事を早めに終えて4時ころ苫小牧アミダさまに着くと一足先に KIKI のメンバーが到着してセッティングを始めようとしているところ。"CARBON"のメンバーで'96年のナウミュージックフェスに来札して以来のドラマーのジョー・トランプと再会。iPhoneに入れている13年前のビデオを見せると驚き喜んだのでDVDをコピーしてプレゼントすることにした。
ジョーのドラムセットは22インチのロック用を現地調達だが、スネアーとシンバルとツインペダルやいろんなホルダー類を持参し、シンバルは6〜7枚くらい、タムタムもあれば3〜5個くらい使い見るからに壮観!!セッティングにかかる時間も1時間はゆうに超える丁寧さ。13年前の超メガ級プレイの記憶がよみがえってワクワクしてきた。
いよいよ開演、メンバーが登場するとマスターのツルさんのヤジやジョークが容赦なく浴びせられる。ジョー・トランプには「花札!!花札!!」、自転車のツーリングレースでもプロ級(に近い?)の早川さんには「ジテンシャ!!ジテンシャ!!」・・・。他の会場ならひんしゅくものだがツルさん流の愛情表現と理解しているメンバーもお客さんもたちまち盛り上がってしまうところが独特だ。
初めて観る新生 KIKI BAND の迫力はやっぱり凄い!!
<コン太の父さんの日記(友人の友人まで)>
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1174035395&owner_id=5504338
<ちえさんの日記>
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1174589129&owner_id=1428994

東京から駆けつけてくれた元NMAスタッフ佐賀優子は千歳空港から直行し苫小牧と札幌でCD販売を手伝ってくれて、まるで親孝行な娘のようだ目がハート
打ち上げで手作りの玄米生寿司などをご馳走になった後、佐賀優子と札幌に帰り我が家で妻と3人で祝杯。2泊する。


【5月22日=札幌・ことにパトス】
苫小牧に泊まったKIKIメンバーは、昼前からアミダさまのご好意で店を開けてもらい、ツアー後に予定のレコーディングのために2時間ほど新曲の練習をしてから札幌入りした。ジョーは用意された2組のドラムセットから使いたいものをチョイスし、たっぷりと時間をかけてセッティングをする。札幌はわりと静かに聴くタイプのお客さんが多いのだが、KIKI のノリと迫力にはやはり熱くならずにはいられなかったようだ。

後片付けが終わって打ち上げ会場の「ふる里支店」に行くと大勢のお客さんがもう盛り上がっており、身近な人達だけに声をかけたはずなのに総勢30人は超え、聴衆の半分近くが参加しているのではという盛況ぶり!!東京からは「梅津和時/演歌を吹く」をリリースしている doubtmusic の沼田順さんご夫妻も帰省がてらきてくれた。
<agharta335さんの日記>
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1175088320&owner_id=4755544
<マサさんの日記>
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1175412963&owner_id=9411597


【5月23日=浦河町総合文化会館ミニシアター】
テルチェックアウト後、我が家で13年前の "CARBON" のビデオなどを見てコピーしたDVDをジョーにプレゼントし昼前に出発。今日から28日までマネジャーの多田葉子さんの代理としてエルグランド号に同乗しマネージャーやCD販売や運転手などの手伝いをすることに。
札幌から道央道日高道と高速を120キロ走り浦河まで約200キロ。ジョー以外の3人はみな運転が好きなので僕はのんびりと助手席でナビの役目。浦河に近づくと霧雨模様。
主催者の幌村さんはとなりの三石町の某会社の社長さんで町の名士。20年ほど前から地元の三石町浦河町でライブ活動をし、超前衛では96年の「大友良英+ボブ・オスタータグDUO」もやってくれたほどの音楽好き。当然お客さんも20年ほど歳をとったことになるので平均年令は高くなったし白髪も目立つようになったにもかかわらず、ライブ慣れしているせいか KIKI BAND の大音量と変拍子が複雑に絡む一見マニアックな構造の曲にも誰一人として席を立つ人はなく存分に楽しむ光景は「これぞ KIKI BAND の錬金術」とさすがに嬉しかった。
札幌や東京、留萌などからも見逃した人やハシゴしたい人が来てくれていた。いったいここは何処なんだあせあせ(飛び散る汗)
<マサさんの日記>
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1176398145&owner_id=9411597&org_id=1175412963


【5月24日=移動日】
浦河を出発して北見に向かう、約300キロの道程だ。浦河からは天馬街道を越えて十勝に抜ける途中の野塚峠ではあちこちに残っている雪渓に感嘆し写真を撮っている。十勝に入ると見渡す限りの牧場と原野をひたすら東に走り昼過ぎに浦幌町に着き、和風で田舎風の○○レストランでラーメンなどで昼食。ここから足寄までは僕が初めて運転。足寄の道の駅で休憩し北見に着いたのは4時過ぎだったろうか?なんとこの日と翌日はオホーツク方面の狭い地域だけに寒気が襲い、小雨と最高気温が6、7度という寒さ雨

北見の主催者は北見セントラルホテルのオーナーの紺野さんで、昔は「シャクシャイン」をやったこともある梅津ファン。東京を発って9日目のメンバーは、紺野さんの暖かい配慮でホテルのコインランドリーで洗濯。夜は日本でも1、2番目に早い創業という地ビール「オホーツクビール」のビアレストランで夕食。


【5月25日=北見セントラルホテル内「ライブハウス・JAZZ FOOL」】
昼頃からセッティングを始めるがいつものようにジョーは1時間以上を費やす。サウンドチェックのあとは、ここでもレコーディングを視野にしたリハーサルが延々と開場時間近くまで続く。
1週間前の電話で「最近は4ビートジャズのライブが多いので KIKI は苦戦して今現在20人程度、30人を目指して頑張りますが・・・」と弱気に言っていた紺野さんだが、ツアー中で最も狭いこの会場に用意した40席がほぼ埋まりホッと一安心、新曲も数曲披露し日々進化を続ける KIKI の熱〜いライブになった。札幌で見逃したという鬼怒ファンのT嬢や、札幌にも来てくれたI嬢も来てくれたし、調律師仲間のKくんややSくんも来てくれた。


【5月26日=根室・道立北方四島交流センター「ニ・ホ・ロ」】
10時出発の予定がちょっとしたアクシデント発生で出遅れ3時入りを4時に変更。根室までは約180キロ、ヨ〜シここぞ出番と北海道を知り尽くした僕が根室まで運転ダッシュ(走り出す様)見事4時ちょうどに会場到着。
小高い丘にある会場のステージ背景には根室湾から知床半島、国後、択捉島などが広がる眺望に感動!!
主催のネムロ・ホット・ジャズクラブは30余年の歴史を誇る名門。昨年暮れ KIKI のツアー企画書を送ったときは「最近あまり活動していないのでムリだと思います」との返答だったが、数日後に「みんなで相談したところ梅津さん久しぶりなのでやろうか!ということになりました。」と嬉しい返事。白髪が目立ってきたサテンドールの谷地田さんや香林さんや高橋さんだが、熱い時代をよみがえらせる素晴らしいライブになった。打ち上げはもちろん花咲ガニと生カキ食べ放題蟹座「ジャズの町ネムロ健在!!」といいたいところだが、ここでもやはり主催者もお客さんも平均年令が高いのが気がかり・・・。


【5月27日=釧路 artspace ジス・イズ】
日本最東端のジャズ喫茶「サテンドール」でコーヒーをご馳走になり根釧原野を釧路へ向かう。
釧路の会場は日本でも名高いジャズ喫茶の老舗「ジス・イズ」オーナー小林東さんが、店の2階に数年前にオープンした50席ほどのフリースペース。セッティングを終えるとここでも新曲のリハ。
本番前に昨夜PAのセッティングを済ませてくれた同業者の後輩Sくんが来た。「誰の機材なの?」とたずねると「僕の機材です」と。なんと、ツアーマネジャーも現地のPA屋さんも本業はピアノ調律師!?ヘンなやつはどこにでもいるもんだなぁー・・・。
北海道ツアー最終日ももちろんいつものように最高の演奏!オペレーターは僕がやったので自分で納得できる音ができたと自画自賛(自己満足か?)。

打ち上げは釧路を訪れたミュージシャンにはお馴染みの「ブックエンド」。オーナーの榎本さんは1年ほど前に他界し、最近ようやく元気を取り戻したというママさんが店を継いでいる。


【5月28日=移動日】
朝食は釧路西埠頭方面にある阿部商店で新鮮な魚を買い、すぐ隣の「鮭番屋」で炭火焼きという北海道ならではの味覚にKIKIのみんなも感激!!29日は本州編Bブロックの山形公演が待っている。苫小牧夕方7時発の仙台行きフェリーに乗るため再び天馬街道から浦河経由で苫小牧に向かう。 320キロの長距離のほぼ3分の1を僕も運転。夕方5時ころ苫小牧駅で KIKI BAND のみんなと別れJRで札幌に戻った。


KIKI BAND に同行して思ったことがいくつかある。まず一番感心したのはみんな練習好き。ツアー後に控えているレコーディングを目指してメンバー4人それぞれが新曲を出し合い練習し夜の本番で披露する。だから日々名付け前の新曲が増え、最終日の釧路では半分近くが新曲。いずれもKIKIらしい変則的複合的で強力なビートの錬金術で快感に変えてしまう。進化を続ける KIKI のニューアルバムが楽しみ!!
また5月2日に他界した盟友忌野清志郎について本番ではあえて触れず、毎夜のアンコールでのみ清志郎に捧げるコメントと「ベトナミーズゴスペル」を演奏。時に優しく時に激しく、梅津和時の心底から歌い上げるサックスの美しいバラードが7つの町すべての聴衆を感動させたことは間違いないだろう。

KIKI BAND の皆さん、聴衆のみなさん、各地主催者とスタッフのみなさん!
ありがとうございましたハート達(複数ハート)

次回6月17日「AGRA DHARMA」
初来日の女性ピアニスト、シルヴィー・コルバジェはゼッタイ見てください!!
http://homepage2.nifty.com/nma/info/09agra.html
http://mixi.jp/list_bbs.pl?id=686812&type=event