・CD「高柳昌行メタ・インプロヴィゼイション」

CD「高柳昌行メタ・インプロヴィゼイション」が届いた。
制作したのは、'90年録音の遺作「イナニメイトメイチャー」を制作するために発足したJINYADISC。
http://www.jinyadisc.com
1984年11月、病と闘いながらの北海道ツアーの貴重な記録。


ツアーは、評論家・副島輝人さんが当時ドイツ「メールス・ニュージャズ祭」を撮影した8ミリ映画を毎年全国を廻って報告会を行っており、その北海道ツアーに誘ってジョイントすることで実現した。

同行したのは副島さんと、高柳夫人、そして当時ボーヤとして高柳さんの演奏機材などにも深く関わっていた大友良英さんが運転手兼アシスタントとして同行し録音した。
公演は、釧路、北見、帯広、札幌、函館で行われ、私は札幌のほかに釧路にも行った。

客席には当時のフリージャズファンも多く、演奏後のデスカッションでは高柳さんのあまりにも先鋭的で衝撃的な演奏に疑問をぶつける人もいて、私も交えて熱い議論を展開したことを今でも記憶している。
ライナーノーツにも書かれているが、高柳さんにとってこのツアーが印象深く心身ともに充実したものだったようで、以後たびたび音楽への熱い思いを書かれたお手紙をいただくようになった。またこの出会いがきっかけで大友くんとの長い付き合いも始まった。

副島輝人さんと大友くんのライナーノーツを読みながらCDを聴いていると、当時の熱い感動がよみがえってきた。

12年間、ファンとして高柳さんの音楽を追い続けたというJINYADISCの斉藤さんの熱意に敬意を表したいと思います。

ジャケットは初冬の北海道の海
中面の写真はNMAが提供した札幌のライブです。