・NMA 30th. Anniversary

NMAの活動も今年満30年を迎えますが、この機会に発足当時を振り返ってみたいと思います。


NMAライブ vol.1
1983年3月23日 @岩見沢ホテルサンプラザ
『気楽にインプロヴィゼーション
  近藤等則 (tp, toys)、豊住芳三郎 (ds, percussion) DUO

NMAライブ vol.2
1983年5月7日 @札幌ヤマハサロン
『ペーター・コヴァルト コントラバスソロ』
&『映画・西独'82メールス・ニュージャズ祭』
  Peter Koward (contrabass)
  副島輝人 (取材・解説)



1983年3月、NMAライブを札幌で開始する前に、1979年まで住んでいた岩見沢で、岩見沢モダンジャズクラブではできなかった完全即興演奏のライブを当時ヨーロッパでも大活躍の二人でやってみたかった。子供も交えた満員の中、近藤さん豊住さんがノリノリで客席になだれ込みトイや鳴り物を次々と放り投げると、客席を巻き込み渾然一体となって狂喜し即興演奏の魅力に酔いしれた。


1983年5月、さっぽろでの最初はヨーロッパフリーミュージック界の重鎮、故P・コヴァルトのソロ。繊細なオーバートーン奏法やダイナミックな奏法は緊張感と迫力に満ちていた。
評論家・副島輝人さんは1970年代から毎年メールス・ニュージャズ祭を取材し、世界最先端の音楽を広めようと8ミリ映写機を担いで全国行脚していた。映画には、ジャック・デジョネット、シャノン・ジャクソン、デヴィット・マレィ、グローブ・ユニティorch- など。


直後の5月下旬から、メールス・ニュージャズ祭を初めて観るため3週間の旅に出た。副島さんから「メールスでは知らない名前が多い年ほど面白いんだよ!」と聞かされていたがまさにその通りだった。ジョン・ゾーン、フレッド・フリス、クリスチャン・マークレィ、アート・リンゼィ、ハイナー・ゲッペルス etc-…。演奏の凄さ!歓声の大きさ!…ショックだった。何故これらの情報が日本のジャズファンに伝わらないのだろうと愛読していた「スィングジャーナル」誌に失望し(笑)頭の整理に2、3年を要しながらも、最先端の音楽を自分の手で札幌に紹介したいと決心して以来今日まで約160本のライブを開いてきました。


特に軌道に乗るまでの初期には、評論家の副島輝人さん、当時のライブハウス「びーどろ」の高森さん、ジャズ喫茶「act:」の坂井さん、「フラグメント舎」主宰・故金澤史郎さん、「BOSSA」高橋さん、「ジャンク」島竹さん、「ジェリコ」渋谷さん、「グルーヴィー」故野川さん他たくさんの皆さんに協力していただいたことに感謝しています。


この30年間で音楽の状況も大きく変化し、細分化されたジャンルそれぞれの中で安易に完結し出口を見失っている音楽が多いようにも思える中でも、それを超えてきらめきを放つ音楽やミュージシャンを見出していきたいと思っています。


あと何年続けられるかは神のみぞ知るところではあるけれど(笑)

<写真は1983年3月、近藤さん、豊住さんと>