・RASTER-NOTON 札幌公演へのメッセージ

NMAライブにとっては2011年最大のイベント RASTER-NOTON, PATOS IN SAPPORO まであと数日、ライブを企画するに至った経緯と私の思いを書き留めてみたいと思います。


5月のゴールデンウィークが明けて間もなく、SHIFT大口さんから「今年カールステンニコライが日本ツアーを予定しており、札幌でも開催できないかという打診を受けています。ご興味ありましたらお話しをさせていただけるとありがたいのですが。」というメールをいただき、さっそくお会いして話を聞いた。情報のソースは何と高橋クニユキくんだった。彼は札幌を拠点に活動し世界各国のプロデューサーやDJからも評価されており、交流のあるカールステンが彼に打診していたそうなので、クニユキくんからさらに詳細を聞いた上で、カールステンにこちらの可能な厳しい条件を率直に伝えてもらい了承していただいたので実現することになった。子供の頃から音楽好きだったクニユキくんを知る僕にとって、この件で関わりをもつことになるとは縁とは不思議なものだと思う。


電子音響、エレクトロニカなどと呼ばれる彼らの音楽が世界で注目されるようになったのは、特に1990年代後半ころではないかと思う。僕の体験でも1997年イタリア・ボローニャで観たエレクトロニクス音楽にスポットを当てた「アンジェリカ・フェスティバル」、1999年1月に来日したウィーンのレーベル「Mego」集団のライブ@東京オペラシティ/NTT-ICC(日本から池田亮司大友良英らも出演)の4日間を観て一気に関心が高まった。2001年にはNMAの企画で池田亮司を初めて札幌に招き「time and space」ライブを開催し(釧路芸術館では音と映像)、完全暗転の中で音像だけが空間を支配し、見えないスピーカーに全神経を奪われるマジック?に圧倒され興奮した。10年たった今でもこのライブの衝撃的な印象を僕に語りかけてくれるファンに度々出会うことは嬉しい限りである。また仕事柄マイカー移動が多い僕は、この頃から池田亮司RASTER-NOTONなどのCDをカーステレオのボリュームを目一杯上げていつもいつも愛聴していた。


RASTER-NOTONはこれまで度々来日し、東京や関西、YCAM(山口芸術情報センター)などで紹介されているにもかかわらず札幌では何故か接点がなく、もっともっと早い時期、2000年代前半には札幌でやるべきだったと思うが、遅まきながらNMAの企画でこの度実現できることになったことは正直うれしい。


レーベルを主宰するカールステン・ニコライ (a.k.a alva noto) は、池田亮司との「cyclo」や、今年も坂本龍一とのコラボレーションでヨーロッパツアーを行い、開催中のヨコハマ・トリエンナーレ2011でのアートプロジェクト「auto R」や展示「fades」などで美術家としても活躍し注目されている。


ベルリンから3人の電子音響アーティストを迎えて音と大画面映像による臨場感あふれるパフォーマンス、RASTER-NOTON, PATOS IN SAPPOROは、厳選されたサイン波、クリック音、ドローンなど電子音の研ぎ澄まされた音群と、リアルタイムにビジュアル化された映像によって、臨場感と緊張感あふれる空間に高密度で充満する音圧振動やグルーブ感を体感していただき、この札幌の音楽シーンに語り継がれる新たなページをみなさんと共に刻み共有したいと思っている。


最後に、NMAの企画はつねに新しい音楽やアーティストを、私たちの住むここ札幌に紹介しその喜びをみなさんと共有したい思いで個人の可能な限り非営利で活動しています。その趣旨から「同じ企画は二度やらない」が原則なので、「この次でいいや」とか、ライブを観た友人らの話を聞いて後悔しないよう心から願っております。さらにこの趣旨に賛同いただけたなら情報の拡散をよろしくお願いいたします。


10月3日 RASTER-NOTON, PATOS IN SAPPORO、

10月4日 ACF ART SALON, LECTURE BY CARSTEN NICOLAI

最後までお読みいただきありがとうございました。
ご来場を心からお待ちしております。


詳細はNMAサイト
http://homepage2.nifty.com/nma/info/2011/raster-noton.html


ご予約は
電話 011-742-3458 E-mail:nma-1983@mbr.nifty.com


3、4枚目の写真は去る8月21日にヨコハマ・トリエンナーレ2011のカールステンのプロジェクト「auto R」と展示「fades」を撮影したものです。