・大友良英 without records @せんだいメディアテーク・レポート

NMA2007-01-16



13日から2泊で初めての仙台に行ってきました。

(昨夜フォトアルバムに他の写真をアップしました。つかぽん。さんがリンク貼ったせいか、すでにたくさんの見知らぬ?方々が・・・)

眼下に雪のない仙台平野が見えてきた頃、飛行機はとつじょ急旋回をし太平洋の沖へ沖へと向かうではないか!?もしやハイジャック!?・・・そんな不安がよぎったころ再び進路を陸に向きなおし降下を始め、海岸から直角に滑走路に無事着陸。(ホッ)

昼食に駅の近くで安いソバを食べてからホテルにチェックインし、すでに東京から着いているはずのキャロサンプ野田っちに電話するとメディアテークに。初めての仙台の中心街をぶらぶら歩く、雪の札幌から来ると僅かな緑だが懐かしい・・・。ケヤキ並木の定禅寺通りに出ると間もなく、夕陽に映えるガラス張りのせんだいメディアテークに着く。野田っちと会い7階のオフィスへ行くと、大友君、昨日マイミクになったばかりの東京からのT嬢、マイミクだが初対面のつかぽん。さん、主催のメディアテーク学芸員・小川直人さんやボランティアスタッフのみなさんと会い、おみやげに持参した六花亭の「マルセイバターサンド」を食べながらしばらく談笑。

利便性にも恵まれたせんだいメディアテークは建築家・伊東豊雄の代表作。チューブと呼ばれるガラスのパイプ状の部分と総ガラスの外壁が目を惹き、1階のプラザは定禅寺通りと連続した開かれた空間をイメージさせてくれる点でも素晴らしい。

http://www.smt.jp/smt/

そのプラザのオープンスクェアが「大友良英 without records」インスタレーションの会場。66台のポータブルプレーヤーの半数強は中央の四角い部分を囲むように配置され、残りはその周辺にランダムに点在。その一台一台の特徴を生かし、さまざまな仕掛けを施して回転に伴う周期的に発する音や、ホワイトノイズやフィードバック音をPAは使わずポータブルプレーヤー自身のスピーカーから発する音たち・・・。さらにそれぞれがスィッチのオン・オフを繰り返されることと、その中をゆっくりと歩き位置を変えることで響きがつねに変化する。無機質的で機械的な音であるはずなのに、まさに永年の眠りから覚めた生き物たちに囲まれているような優しさに包まれてしまう・・・。

夜は7階スタジオシアターで大友良英のソロ。ほぼ満席!!
前半は2台のギターと2台のアンプ、後半は2台のターンテーブルと2台のアンプによる、フィードバックやループノイズによる演奏で、コンセプトはインスタレーションと一貫している。高度に選りすぐられた超微音と轟音を往き来するのが何とも心地いい・・・。轟音ではゆったりとした椅子の背からマッサージ機のような振動が(リハで効果的な音域をチェックしたのだろうか?)・・・。

14日(日)、野田っちと青山さんのCDショップ、ストア15NOV.を探し歩きたどり着く。青山さんは美術家でもあり今回の展示のデザイン部分などを担当し、いわば大友氏とコラボレーションの相方ともいえるそうだ。

今夜は1階のインスタレーションの中でI.S.O.のライブ。SACHIKO・Mと一楽さんが2時入りする。途中、野田っちが「鮨をたべたい!!」と言い張るので(これホント!笑)鮨屋で昼食。回転寿司ではないが安くて旨かった!!

会場で、一楽さん、さっちゃん(SACHIKO・M)、doubtmusic の沼田順さん夫妻や、京都から来たS嬢らと再開、間もなくセッティングが始まった。中央の四角いエリアの3つの角に3人が演奏場所を確保しサウンドチェックを終える。PAはなし。4時半の開場まで、同じフロアのカフェでみんなでくつろぐ・・・。やがて昨日から来ている東京組のT嬢、S嬢も加わる。

いよいよI.S.O. の開演。聴衆は150〜200人くらいか・・・?
いったんオフにしていた電源がオンにされると、あちこちのポータブルプレーヤーからさまざまな音がオーケストラを奏で始め3人の演奏が始まった。全体的に微音弱音でポータブルプレーヤーの音と一体になりつつも、3人が紡ぎ出す繊細で高度にに集約された音が随所に際立つ。大友のフィードバック音の唸りが幾度か大きくなり空間をのみ込みそうになるがまた元の微音に・・・。聴衆は思い思いに場所を移したり立ったり座ったり・・・、ポータブルプレーヤーもランダムにオンオフするので時々音の方向へふり向いたり・・・、自分だけの音を求めて素晴らしい時間と空間を楽しむことができた。


この企画について大友氏から感想を聞いたところ、『ポータブルプレーヤーを再び入手することの難しさと、仙台の「場所」と「人」があってこそ可能だったのであって、おそらく2度とこの規模で企画することは困難だろう』と・・・。

この貴重な企画に関わったメディアテークとスタッフのみなさん、ボランティアスタッフのみなさん、お世話になったマイミク、つかぽん。さん、本当にありがとう!!大成功おめでとう!!打ち上げにも2日連続同席させていただきありがとうございました!!
(1枚目はつかぽん。さんと僕。2枚目の<赤靴下同盟員>の3人は謎?。3枚目の写真のボランティアスタッフ Kenichi Waga 君ことテルミン君、テルミン奏者で自作テルミンを打ち上げ会場でハンダごてを手に修理していたが諦めてギターとラップトップでさりげなく演奏を・・・これが素晴らしかった!!)


進化を続ける大友良英の音楽の壮大さを改めて思い知らされる素晴らしい2日間でした!!大友氏とI.S.O. と青山さんと小川さんとみんなに感謝!!
カッコいいコート姿はメディアテーク学芸員・小川直人さん。(ミクシイ公開承認済みで〜す!!笑)